拝啓、事務局の中の人へ

事務局がらみの色々を書いていきます。

雑感:サービスを受ける立場で学べる事も多いよねというお話

お忙しい事務局の皆様、いかがおすごしでしょうか。私も忙しいです。

 

本当に雑感なのでタイトルが全てなのですが、最近あった飲食店の経験談を紹介いたします。学びになったなぁというだけの話ですので、それ以上のことはございません。お忙しい場合はご放念ください(この言葉を使ってみたかっただけです)

 

とあるお高めのレストランでのサービス

結論からいえばとても良かった!

 

具体的に何が良かったかというと:

・さほど広くない店内ではありますが、必ずフロアに誰かいて、いつでもお客さんのところに来てくれる。呼びたい時に店員さんがいない!ということが起きない。それだけ余裕があるってことなんでしょうが、フロア担当の人もソムリエさんもさりげなくそこにいるので、違和感ゼロ。緊張感ゼロ。話しかければお話に付き合ってくれるし、付かず離れずの距離が絶妙。

・常時四人のスタッフがフロアに出入りしますが、互いへの声かけはほぼゼロ。これすごいと思います。それぞれが自分の仕事に集中しながら、それでいて過不足がない。つまりそれだけ習熟していて、お互いへのリスペクトがあるんだと思います。たまにスタッフ同士のやりとりが聞こえてきて裏事情とか色々妄想してしまう自分にとってはとてもありがたかったです。目の前で他人が叱られているのを見ると疲れますし。

・お客さんに合わせた提案をしてくるところ。どうやら定期的にワイン試飲会をしているようでして、隣のテーブルにはその紹介をしていました。かなりお酒好きなお客さんだったようですし、お客さんも紹介されてとても楽しそうでした。一方、私たちは妻が妊娠中なのを分かってか紹介なし。そしてチーズのサーブの時も、バックヤードに近い妻の側でなく、あえて遠い私の側まで持ってくるのも配慮されたのかなと思いました。

 

つまるところ、余裕がある!よくトレーニングされてる!そしてスタッフの皆さんが自信を持って働いてらっしゃる姿が印象的でした。

特にお客さんの前でやり取りを全くしないのにきちんと全てが動いている感じからは、チームとしての練度の高さを感じました。

 

最近忙しくて更新したい記事が書けてなかったので、雑感ですがご査収下さい。

 

 

 

雑感:「即位の礼準備事務局」のことを考えてしまう

拝啓、普段からいろいろな調整に追われている事務局の皆様

別に今どきのネタだからというわけではなく、「即位の礼準備事務局」のことをワイドショーで知ってしまい、それからその皆様のお仕事のことを考えるのが止まらなくなってしまっております。ご担当、ご関係者の皆様、誠にお疲れ様です。12月ぐらいまでいろいろイベントが盛りだくさんでそれどころじゃないと思いますが体調を悪くされる方がいないことを祈っております。

www.mofa.go.jp

 

さて、単に「海外からお客さんがたくさんきてたいへんだなー」というのが普通の感想だと思うのですが、もう少し事務局仕事をしている人間目線で妄想を膨らませたいと思います。

海外来賓多すぎないか問題

あまりにも考えることが多すぎるので列挙しつつ。

183カ国のうち、本国から元首らが出席するのは156カ国(うち1カ国は公表を望まず)で、27カ国は駐日大使らが参列する。 日本政府が承認している国は、平成2年11月の即位礼正殿の儀当時の165カ国から195カ国に増えた。外務省はアサド政権の非人道性が指摘されるシリアを除く194カ国と国連、欧州連合(EU)などに招待状を送付していた。 最終的に参列する国の代表は増える可能性もあり、200近い国・機関のVIPが同時期に来日する規模としては、過去最大になるとみられる。
  • 人数の確認:以降の移動や宿泊の話を考えるにあたっても、人数&誰が来るかの確認はむちゃくちゃ大事でしょう。だって大統領と副大統領でも扱い違うだろうし、来る人によっては外務省のほうで首相との会談とか設定するわけですよね?ていうかみんないつ来ていつ帰るの??おつきの人何人くるの??最終的に25日までに50か国の要人と会談するらしいですが、その調整ががががが(頭がバグる)

    参考:来賓続々「即位の礼」 首相、50カ国要人と次々会談へ:朝日新聞デジタル

  • 移動:来たら来たで専用機の駐機場の手配、移動の車の手配、移動経路の警備、そしてそれらがコンフリクトしないようにするのってむちゃくちゃ大変じゃね??

  • 警備と治安:海外の王族がいらっしゃるだけでそこそこ大変なのに、それが一堂に会してやってくるわけですよね??もし都心でテロがあったら?地震や台風があった時の備えは?悪天候で帰れないとかなったら??空港で事故が起きたら?あるいは何かしらの障害で羽田か成田が使えなかったら?想定すべきケースが多すぎて・・・(実際台風来てたし)

  • 宿泊:テレビで外交関係のない国は別々のホテルで。。。とか言ってましたが、おそらく過去に来日された記録とかみてNGだったホテルとか喜ばれたサービスとか、そういうことを気にしないといけないですよね??泊まるお部屋だって過去に招待したことある人はその時より下のグレードにはできないし?ホテルによっては用意できる食事に制限があるところもあるから、ハラール扱えるところを探したり??

  • 個別対応:ありますよねー、そういうことありますよねー(白目)

また、「逃亡犯条例」改正案を発端とするデモ対応に追われている香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が21日、香港から東京へ向かった。即位礼正殿の儀に出席後、同日夜までに香港に戻るという。

国内の関係機関多すぎじゃね問題

もはやまとめる気力がありません。。。各都道府県からも人来ますし、警察だって全国から来てますよね?

宮内庁とかそういうのはまだわかりますが、どんだけ国内の関係者がいるかまったく予想もつきません。単純に招待客むちゃくちゃ多い。

「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」には、皇族方のほか、180以上の国や機関などの要人をはじめ、小泉元首相や森元首相、歌舞伎役者の松本白鸚さん、王貞治ソフトバンク球団会長、さらに将棋・羽生善治九段など、各界の代表およそ2,000人が参列した。

参列した著名人語る“その時” 即位を内外要人を前に宣言 - FNN.jpプライムオンライン

国内だけで2000人か。。。

 

ご担当者、ご関係者の皆様、本当にお疲れ様です。

無理に無理を重ねてのここ一年数か月(そもそも事務局設置が去年8月・26名)だったと思いますが、どうぞご自愛ください。

以上、職業病として事務局仕事のことを考えてみました。いかがでしょうか。

そのほか参考リンク:

皇位継承式典事務局:8月1日設置 内閣府など26人専従 - 毎日新聞

www.jiji.com

天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典委員会

Googleフォームの使いどころ:下準備でひと手間を

拝啓、日々アンケートとかの催促メールを送っている事務局の中の方々

先日、Googleフォームを使おうという記事を書きました。事務局的な仕事では情報の集約と整理が必要な場合が多いので、フォームが便利ですとお伝え出来たと思います。

 

removesnow.hatenablog.jp

 

今回はそれを踏まえて、実際にフォームを使うときにどういう下処理(下準備)をしておくとよいか、というとても領域の狭いTipsを紹介したいと思います。

 

【要点をまとめると】
  • 事前に知りたい情報を明確にする
  • アウトプットの形を決めておく
  • それに応じてフォームの回答内容が出力されるように仕込んでおく 
【ありそうな例】

回答者の確認が必要なら?→シート二つ目に対象者リストいれてVlookupかCountifで。
よくあるのは「AさんからZさんまで全員に回答もらいたい」「そして期日までに回答してなかったらリマインドしたい!」というパターンです。

そういう場合には「誰が回答済みか」と「誰が回答していないか」という情報がすぐにわかると便利ですよね。

で、例えば社員番号とかEmailアドレスとか個々人を特定できるIDに類するものがある場合、それを参照してリストとの照らし合わせができます。

いちいちフォームの結果を番号順(名前)順に並べて上から調べて。。。という面倒なことをするより、以下の手順でずっと作業が簡易化されます。

【下処理】
  1. フォームを作る(社員番号やメールアドレスなどを取得するようにする)
  2. フォームの回答が出力されるスプレッドシートを開く
  3. スプレッドシートにシートを追加する
  4. このシートに対象者のリストをいれる
  5. リストの横に、VlppkupかCountifで1枚目のシートに記載される社員番号・メールアドレスを参照して「回答済み」「--(未回答)」というフラグを出すようにする。

※この時、Arrayformula使うと便利ですよ。使い方はいずれ書きます。
サンプル:

=Arrayformula(if(Vlookup(検索値の開始セル:列のアルファベット,隣のシートの該当列,1,False)>0,"回答済み","--"))

複数回答OKにしてしまうとVlookupがうまく機能しない(参照する値が複数になる)ので、Countifのほうが妥当かもしれません。あるいは回答は1回のみ、事後に編集可能という設定にしておくとよいかも。

Countifは面倒なので省略。いずれご紹介します。

【結果】

回答すると自動的に対象者リストの中で回答・未回答が分かるようになります。
じゃぁ次はフィルタをオンにして、未回答だけ見つけましょう。リマインドメール送るならこの人たちへどうぞ。

「フィルタをオン」がよくわからない場合はググるとよいと思います。いずれこれもご紹介したいですね。

【おまけ】

実はフォームにはメアドを指定してメールでフォーを送るということができます。そうすると未回答者がほぼ自動でわかります。

しかしながら、この機能の欠点は「同じフォームを違うタイミングで使いまわすときには、前の人のログが残ってしまう」ということです。

毎回フォームを作り直してもよいですが、それはそれで面倒なので、今回のような方法を紹介しました。

今回は以上です。いかがでしょうか。

 

事務局の人こそフォームを使いませんか

拝啓、日々いろいろな情報のとりまとめに難儀されている事務局の皆様。

突然ですが、Google Form、ご存じでしょうか。便利ですよね。
Googleはフリーツールとして有名ですが、特に事務局的なお仕事において使用頻度が高いのはFormとSpread Sheetではないでしょうか。
(アルファベットで書くのも面倒なので、以下はフォームとします。)

※フォームつかったことない人へ
 こんなのです。

forms.gle

おそらくフォームのことは「アンケート集計に使うよね」という機能だとご理解いただいているかと思います。しかし、今回は「複数人から情報集めて整理して、って作業があるなら、フォーム便利だよ」ということをお伝えしたいと思います。少しでも日々の業務が効率化され、負担が軽くなることを願います。

ちなみに、フォームのHow Toについてはググっていただいたほうがよいと思います。今回はあくまで「どういう業務の時にフォームを使うと便利になるの?」という点についての整理です。やり方がわからないときは「Google フォーム 〇〇したい」で検索すれば出てきます。

 

1)前提:事務局仕事あるあるパターンのAとB

事務局の仕事が「何であるか」については追って整理していきたいと思っていますが、
事務局の仕事においては以下のパターンがあるように思います。

 

removesnow.hatenablog.jp

 これらの4類型を踏まえて、AとBを事務局の業務の流れという観点から考えると、以下のように言い換えることができます。

パターンA:特定の期間内に複数人から(たいてい定型の)情報を集めて、整理して、誰かに渡す(あるいは自分で使う)

パターンB:複数人から、質問や問い合わせ、要望を受けて、それに回答・対応していく。

AとBの違いは事務局外の誰か(クライアントと勝手に呼びます)からもらえる情報の正確さによって整理してみました。

Aの場合は明確(であってほしい)、Bは中途半端というわけです。

2)パターンAの分解

パターンAの中には大きく3ステップあります。
 ステップ1:複数人から情報を集める
 ステップ2:整理する(この中で事務局が何かを判断することもあります)
 ステップ3:渡す

例えば、

  • 飲み会(MTG)の日程調整をしたいので、「それぞれの都合のつく時間帯」を集約して、「もっとも人が集まれる日時を”決めて”」、「返信する」。
  • ある研修会や製品等の評価を集めたいので、対象者に対してアンケートフォームを送って、「回答」を集約して、「回答内容を整理して」、担当者に「返す」。
  • 定期的に必要な備品の手配のために、各部署から「なくなった備品や消耗品」を集約して、「足りない個数を整理して」、「発注する」。
  • 定型の書類があるとして、「記入してもらったものを集めて」「その書き間違いをチェックして」、宛先に「届ける」
3)パターンAの問題点

事務局的なお仕事(くどいですが総務とか人事とか、営業職でも似たような仕事は発生します)をされたことがある方なら、なんとなくパターンAに潜む問題点がお分かりではないでしょうか。

よくあるのは下記のような状況です。

  • 集めたい情報の精度が悪い/整っていない
    例えば備品の場合、「A4のコピー用紙を500枚」とか「A3のコピー用紙を1000枚」という粒度の情報欲しいのかを知りたいのに、「紙を250枚ね」とか言われて、「A4とA3のどっちです?」とか「500枚単位でしか売ってないんですが、500でいいですよね?」って聞き返す。
    あと地味に全角の数字とか混じっててエクセルとかスプレッドシートで計算したときにバグる。
  • 情報の整理が面倒くさい。
    人数にもよりますが、例えばメールで回収とか、紙で回収とか、そういうことをしているとむちゃくちゃ手間がかかります。コピペコピペコピペぺぺぺぺ。
    あと、場合によっては集計セルとか毎回作るの面倒くさくね??とかなる。
  • 実は単純作業なので、表面上はそれほどタスクが重いとは思えない。だが、確認のためのコミュニケーションコストがすごいかかる。
4)解決策としてのフォーム

(すでにお察しの方は以後は不要です)

まとめると、フォームってアンケートだけじゃなくて、上記のような情報集めるのに向いているんだよ!って話です(というより、アンケートの本質が定型化された情報の集約にある、ということだと思います)。

もちろん世の中もっと向いているツールもあるし、ソフトもありますが、そういうソフトって使い始めに習熟コストかかったり、有料だったりしませんか?
(フォームも企業内で使うのであればエンタープライズ版になるので有料ですが、追加コストはかからないよね)

具体的な解決例:

  • 飲み会(MTG)の日程調整
    →参加予定者に対して、「日付」「時間」「氏名やメアド」そのほかの項目についてフォームで期限内に回答してもらい、集計、返信する。
  • アンケート集計
    →普通のアンケートなので省略。
  • 備品の手配
    →備品申請フォームとして、「備品の種類」「個数」「部署(担当者)」「そのほか連絡事項」を集計するフォームを作成し、定期的に該当部署にメールを発信し、回答をもらった内容を火を決めて発注していく。
  • 書類提出:
    →書類に記載する内容についてフォームで回答してもらい、それを自動的にフォーマットに反映するような仕組み(マクロでも関数でも)を作っておく。該当者が回答してくれたら、回答内容を確認したうえで必要あれば修正。フォーマットに転記して提出する。

以上、いかがでしょうか。なんとなく普段使っているあの業務もどうにかなるん?と思えてきませんか。

ここまで話をすると、要するにフォームを使うときは仕組化を考えねばならないのだな、ということが見えてくると思います。また、フォーマットでいきなりマクロとか関数とかいわれると困ると思いますが、そちらについてもおいおいご紹介したいと思います。

最後に補足をすると、フォームがパターンAで効果を発揮するにはいくつか制限があります。

  • 単発・少人数でしか発生しない場合は作りこむコストが高いので、メールとかでいい
    →複数人、複数回、定例で発生する業務がおすすめ。また、定例で発生するけど内容が毎回変わる(パターンBの問い合わせ)には工夫が必要です。
  • 相手(や提出先)がPCなりスマートフォンなりを使用できないと無理ぽ。
    →手書きでしか受け付けません!はダメってことですね。
  • そもそフォーム使えないとだめ(会社のセキュリティとか)

長文になってしまい大変恐縮ではありますが、以上ご査収ください。

引き続き出てくるであろうご質問等についてもこたえていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

Trelloに事務局がらみの記事をいくつか追加しつつ本読みつつ

公開Trello

https://trello.com/b/IznektTJ/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%B1%80%E8%80%83

 

いくつか事務局とかPMOとかでひっかかった記事のリンクを載せてます。いつか整理したいですが、事務局はホテルのフロントというのは言い得て妙だなと思いました。でも、違う場合もあるかなーとも思いつつ。

 

別件ですが松尾先生の新刊が出たのでそちらに目を通しつつ前の本にもまた目を通してます。いずれまたそれも整理がてらご紹介したいと思います。