拝啓、事務局の中の人へ

事務局がらみの色々を書いていきます。

文化的雪かきについて

拝啓、日々終わらぬ仕事に取り組む事務局の皆様

ちょっとした息抜きに、雑談トークとして以下ご笑覧ください。結論から言えば、私たちは「雪かき」を通して「道づくり」をしているのだ、ということです。
以下長文ですがご査収ください。

まず、「文化的雪かき」については村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』に出てくることは有名です。
これについては、下記のように文章を書くという文脈で語られることが多いようです。

d.hatena.ne.jp

また、同時にそれを発展させて、仕事において雑事をすることで他人の役に立つ、という表現をされることもあります。

しかしながら、もう少し「雪かき」を通して「文化的雪かき」について考えてみたいというのが本稿です。

 

私は残念ながら雪深い地域の出身ではないのですが、これが「雪下ろし(屋根の上につもった雪を下す)」ではなく、「雪かき(路上の雪をわきに除けることで通れるようにする行為)」であることは理解できます。

村上春樹さんの著作において、なぜここで雪かきが比喩として使われているかはいずれきちんと整理したいところですが、現時点での考えとしては雪かきという比喩を整理すると以下のような事ではないかと思います。

 

1)誰もやりたくないし、やらなくても済む仕事である

雪かきを進んでやりたいという人はいない。ほかの誰かがやってくれるなら、やりたくないと思うだろう。それは単純な肉体労働で、基本的には報酬がない。
また、メタファーとしての雪は「とけてなくなる(=放っておけばいずれなくなる」と理解できる。つまり、この仕事は今誰かがやらなくても、誰かがやってくれるだろうし、だれもやらなくてもだれも困らない、という表現につながる。
(もちろん、本当の意味でだれも困らないかといえばそれはわからない)

2)公共性:誰かのためになる

「雪下ろし」は自分の家の上に積もった雪を下す行為であるが、「雪かき」は他人も通りうる道の雪をのけるもの。つまり、そこには一定の公共性がある。「雪かきだ」と言っているときには、そこには自分のためだけではなく、むしろ他人のためにやっているというイメージがある。
また、雪かきとは人々が通る道を作り出す行為であって、雪をどかすことそのものが目的ではない。ライターであるなら雑誌が滞りなく発行されるように、事務局であれば所属組織のゴールやミッションを達成することが目的である。このように、雪かきには「誰かのために」という要素がある。

3)降ってくるものに取り組む

雪かきというのは、必要に迫られて行うもので、自分から好きな時に行うものではない
同様に、文化的雪かきといわれる活動をしている人はすべからくそれ自体を欲して取り組んでいるわけではないと思われる。雪を仕事のメタファーとするなら、それは「降ってくるもの」、「自然発生的に出てくるもの」といえる。ただ、雪かきは非主体的な活動ではなく、積もっている雪に向かっていくという点において主体性が必要です。

4)文脈を理解することの必要性

雪下ろしにしても雪かきにしても、実はある程度の地理的なあるいは建物や道の構造的な文脈の理解が必須である。また、スキルがなければ雪かきはできない(けがをしてしまったり、除雪が足りなくて人が転んでしまったり)
また、そもそも雪かきとは、おそらくはすべての雪をどけることを意味しない。一部、必要最小限の場所、最大公約数的な場所の雪をどけることが必要なのであって、すべての雪をなくすことは誰も望んでいない。上記の文脈の理解があってこそ、この「どこまでやるか」が決められる。
雑誌であれば洋服の雑誌にいきなり頓珍漢な記事を書いていては雑誌が成立しない。400字でと言われているのに一万字の原稿を出しても無意味だ。このように文化的雪かきにも同様に文脈の理解やスキルを必要とする活動であるといえる。

5)無名性

以上のように、実のところ雪かきというのは知見やスキルがなければできない仕事であり、素人では対処できないはずである。にもかかわらず、その評価は低い。それは全体から見たときに雑事に見えるからであり、その活動がだれに所属するのかが見えないからである。
雪かきによってよけられた雪には誰の名前も残らないし、その活動を見た人でなければだれがやったかを知ることはない。

6)評価はされなくても、自分なりの規律がなければいけない

通常、だれからも見られていなければ人は仕事のクオリティを下げたり、省力化しようとする。
だがこの雪かきにおいては、それをすることでそこを利用する誰かが転んだり、けがをしたりする可能性がある。また、意図した悪意を持って雪かきの先を崖にしてしまえば、事故を引き起こすこともできてしまう。実は雪かきが成立するのは、それをする人に規律があり、悪意がないという前提があるからだ。

 

以上のように「文化的雪かき」は、雪というひたすらに降り積もる外発的な、誰もやりたがらないが誰かがやらなければならない仕事(公共性)を、スキルを持った人が評価せれないとわかっていながら、しかし規律を持って取り組むこと、という言い換えができるのかなと思います。

付け加えるならば、この雪かきのメタファーがこれほどネガティブな感覚をひきおこすのは、雪を除けるという言い方だからではないでしょうか。私たちはそこにシシューポスの神話のごとき徒労を見て取っている気がします。でも、実は雪かきって誰かが通る道造りであって、その為に雪をどかしているにすぎません。だとしたら、文化的雪かきも同じように誰かのためになす仕事なのではないでしょうか。

 

以上、いかがでしょうか。取り急ぎご報告まで。

公開Trelloを作ってみた

拝啓、いつもいろんなツールに迷っている事務局の皆様

 

お世話になっております。私個人的にTrelloというツールが好きでして、このブログの記事や関連リンクについてもTrelloでまとめております。

公開にしてみたので、Torelloユーザーの皆さんはぜひどうぞ。

気になる記事にコメントしてくださってもOKです。

https://trello.com/b/IznektTJ/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%B1%80%E8%80%83

 

<参考>

タスク管理ツール 「Trello(トレロ)」 を3年間使い倒してみた!~導入時に大切な3つのこと~

https://www.workersresort.com/jp/technology/using_trello/

Trello日本語コミュニティ

https://trello.com/b/iuVU7Osk/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%AD%EF%BC%88trello%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

無料&日本語化!「Trello」でタスク管理がラクになる!使い方・始め方を解説します

https://seleck.cc/610

タスク管理ツール「Trello(トレロ)」の使い方を解説!仕事で使いこなすためのアイデア集も

https://ferret-plus.com/7616

 

事務局のお仕事を分類してみた(ver1)

拝啓、いつも降り積もるタスクに困っている事務局の皆様

お世話になっております。事務局の日々の仕事について、少しばかり整理ができましたので共有いたします。
自分たちが日々悪戦苦闘しているものにも種類があると知ることで何かしら心が落ち着くのではないでしょうか。
長文となりますが下記ご査収ください。

続きを読む

というわけで、はじめました。

https://removesnow.hatenablog.jp/about

拝啓、全国各地で奮闘されてらっしゃる事務局の中の方々。

 

10月だから新しいことを始めようというわけではありませんが、

そんなこんなでこういうブログを始めることにしました。(上記URL参照のこと)

 

最初は単なるTips集にしようかと思いましたが、もう少し構造的にいろいろ考えないとあかんよなと思い、これから少しずつ書いていきたいと思います。定期的に、というほど書けるかわかりませんが、今後ともご笑覧いただければ幸いです。

将来的にはどこかに書いた内容を整理していければなと思っていますが、だいたいいつも整理することを先に考えて中身を考えるのが遅くなるので、先に中身を書いていきたいと思います。お手伝いいただける方はいつでも募集中です。

蛇足:上記aboutに書いたかえるくんとかは村上春樹さんの短編小説に登場するお話です。これについてもいずれ書いていきたいと思います。

 

以上、まずはご報告まで。